こんにちは、色吹です。猫が大好きな児童書作家です。
この記事では、『プロットを作れ』、ってよくいうけど、なくても書ける!という初心者の方、そして書籍化作家を目標にしている方に、伝えたくて記事を書きました。
なぜプロットが必要なの?
そして、もっと根本で必要なもの。
ストーリーの型がわかっていて、小説を書いていますか?
というのを確認してほしくて記事にしました。
実はわたしも、プロットなんて、なくても書ける派でした。
そんなわたしが、どうしてプロットを作るようになったのか?
プロットがいらない、と思っていた理由も含め、解説していきます。
わたしは2017年に、本気で小説家になろうと思い、ド素人ながらWEB小説を書き始めました。
『小説家になろう』で書き始め、結果、3年後の、2020年、児童書で書籍化しています。
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プロットって必要なの?
わたしは、短編、長編、どちらも用意していますが、長編だけ、作っているという方もいます。わたしにとっての、プロットの意味は【作品の取扱説明書】です。
トリセツには、各部品はもちろん、箇所の説明があります。
例えばコーヒーメーカーの取扱説明書なら、
みたいに、順を追って、説明されていると思います。
プロットも同じ。
ざっくり、どう始まって、どう終わるのかを示したもの。って感じ。
書籍化する際、必要だった
わたしは『小説家になろう』から児童書として書籍化しました。
児童書は1冊あたりの文字数は少なく、1冊、8万文字程度、と言われています。児童書なので、なるだけ読み切れるページ数であったり、文字も少し大きめであったりと、工夫がされている理由もあります。
で。わたしはというと………
どうなったか、わかりますか……?
この15万文字を、8万文字に改編しなければならない、ということになったわけです。
もう、構成から丸っと作り替えになりました。
そのときに必要だったのが、『プロット』でした。
『プロット』があると便利なこと
担当編集者さんと情報の共有ができます。
ストーリーがどう進んで、主人公がどう行動していくのか、という説明書をお互いに持つことになります。
実際わたしは組み直したプロットを再提出しました。話の流れがこんがらがったので………
でも、担当さんが伝えてくれたことを正確に自分が理解している、という証明にもなりますし、間違っていれば、指摘してもらいやすい!
勘違いをしながら作業をすることは、大きな痛手になります。特に、今は、オンラインでのやりとりがほとんど!
面と向かって話をすることが少ない状況があるので、文字だけのやりとり、言葉だけのやりとりでは、足りないこともありますもの。
つまり、
「どうして主人公がこう考えたのか?」
「ここのイベントはもう少し厚いほうが」
なんて話も、ある程度、トリセツを見ながら話ができるわけです。
意思の疎通がしやすい、というのは、とても大事なことだと思います。
書籍化後に必要になる
と考えたとき、基本的には、
『企画を出す⇨予算がおりる⇨小説を書ける』
という、ざっくりの流れがあります。社会人の方々はイメージしやすいかもですが、学生だとイメージしにくいかな?
会社にはだいたいなんでも『予算』というものが存在します。
例えば木村出版社があったとして、木村出版社は2000円の本を、年3冊出す。という予算を組んでいたとします。
その内の1冊になる『企画』をあげる必要があるってことですね。
本を作るのには、作者はもとより、編集者さん、校正さん、表紙のデザイナーさん、イラストレーターさん、印刷会社さん、などなど、お金がかかるところがたーくさんあるわけです。
なので、その大事な予算を黒字にするための本を選ぶ必要が出版社にはあります。
『良い企画』をあげなければ、予算がおりず、本が出ない。わけですよ!
つまり、企画が通らないと、小説を書いても、本にはならないってことね。
企画書に必要なのが、プロット、キャラシート、あらすじです。
この3つを提出して、「どうでしょうか?」とお話しをしていくわけです。通らないことの方がほとんどですけど、そもそも、作れなければ話もできません。
売れっ子さんであれば、「次の小説どうします?」と向こうから声がかかります。が、売れない作家ならば、こちらから「この企画どうですか?」とする他ありません……
なので、プロットが作れなければ、新しい2冊目、3冊目の話ができないってことに。……となると、書けない人よりも、書けていた方が、1歩先にいけるのは間違いないと、わたしは思っておりますの。
不必要と思った理由と、考え直した理由
なくてもいい理由は、なくても書ける。ってことですね!
頭のなかで映像が浮かんでいる方や、何もしなくてもストーリーが出てくる方は、なくても大丈夫!と思っている人が多い印象があります。
わたしも頭のなかに常に映像が浮かんでいるので、問題ないと思っていました。
だって、書けますから。書けてますから! ね!
で、わたしは書籍化作家を目標にして書き始めました。
最初は書き続けることを重視していましたが、本屋に並ぶ自分の本をイメージしたとき、“売れる商品となる本”を書くことを目標にしなきゃと思いなおしまして。
そう考えた時に、
プロに勝てるの?
と思ったわけです。だって、わたしは、天才じゃないです。凡人以下のど素人です!
改めて、誰もが思いつくストーリーで、誰もが書けるものを書いても、わたしは書籍化できない。
そう思ったときに、ストーリーの勉強、そして、プロットを作ってみよう、と思ったわけです。
楽しく書いているだけなら問題ありませんが、もう一段上がるために、わたしには必要だった、ということですね。
もちろん、ライトノベルの作家さんのなかには、必要がなかった。という話も聞いています。
なので、「あえて作る理由はないんじゃない?」と言われたこともあります。
でも、わたしの目標は『プロ』になることだったので、
プロが当たり前にしていることをしておかないのは、どうなんだろう?という気持ちがありました。
不要・不必要、というより、自分が目指す先で、必要なものをしておかない理由はない。というのが、わたしの結論ってことです。
そこで、最初にプロットの書き方を勉強しましたが、ピンとこず。結構いろんな資料を使って作ったりしたりしました。がんばりました!……が、プロットつくる意味がわからなかったです。
理由は、>そもそも、ストーリーの型をしらないと、プロットなんて作ったって意味ないじゃん。ってこと!
まずは、ストーリーの型の紹介をしますね。
ストーリーの型
弐ノ型『序破急』
参ノ型『三幕構成』
……が有名なところでしょうか?
この中で、わたしが一番好きな型が、『三幕構成』です。
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(小説の書き方の本の勉強方法の記事もありますので。よろしければ)
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わたしは、脚本の勉強をするまで、ストーリーの型のこと、わかっていませんでした。ずっと感覚で書いていたんですよ。これでいいかな? 面白いよね? みたいな疑問符つけながら。
だって、書けているから、それでいいと思うじゃないですか。
でも、型を知ることで、より自分の作品をおもしろく、楽しく、作ることができるようになりました!
型を知ると『おもしろい』の理由がわかる
感覚で、こうかな? って書いていたわたしが『三幕構成』を学んだことで、激変したこと。
それは、『おもしろい理由』がわかったことです。
三幕構成は、ハリウッド映画の脚本構成と同じものです。
わたしは映画が好きなので、勉強した内容を元にハリウッド映画を分析すると……
三幕構成を説明すると、わたしのざっくり認識で申し訳ないのですが、
ストーリーが始まる
二幕⇨主人公が各キャラクターと出会い、
小さな問題を解決しつつ、
二幕のラストに最大の決断を迫られる
三幕⇨決断をした主人公が、問題を解決する
あくまで、わたしの解釈ですが、こんな感じ。
桃太郎で表現するなら、こんなかな?
鬼が大変憎い!と育つ
二幕⇨仲間を集めながら、鬼ヶ島へいくが、
実は鬼が父親だった……!
三幕⇨父親を倒し、仲間には桃太郎は死んだことに
してもらい、自分は本当は鬼の子のため、
鬼ヶ島に残る桃太郎
とか??
とにかく二幕は、主人公にとってめっちゃ最大の落ち込むラストになることが求められるそうです。
ハリウッド映画だと、だいたい『世界の滅亡の危機』に瀕しますね。
三幕では、それを乗り越えるための新兵器や、主人公の心変わりなどが描かれ、なんとか破滅を救い、エンドって感じ。
(本当はハリウッド映画で例えたかったのですが、あまりに古い映画ばかりが浮かんできたので、思いついたら映画で例えを書こうと思います)
いやいや、「脚本」と「小説」、全然違うじゃん!
と思う方もいると思いますが、場面転換のさせ方、キャラクターの動かし方などは、脚本も小説も同じだと思います。
上で紹介した書籍には、『面白いストーリなのか?』の確認の仕方が豊富にあり、自作品の評価を客観的にできるようになっていました。客観的に自分の作品が面白いか、面白くないかを判断できるのは、わたしにとっては画期的なことでした!
さらに脚本は『場面』の連続なので、わたしは映像が浮かんで文章を書くタイプなのもあり、より具体的にストーリーをイメージすることができたこともあげられます。
(今度、この脚本術の本だけでも記事にしたいと思っています。分厚い本なので、読むのにも心が折れると思うので、ポイントをお伝えしたいなって考えています)
ストーリーの型はどれでもいい
どれでもいいけど、自分の型を作るのではなく、面白い物語の型を知ってほしいです。
・どうして冒頭が大切なのか?
・中だるみはどうして起こるのか?
・なぜ、次話を読み進めてくれないのか?
すべて、ストーリーの型を知っていれば、解決する方法が少なからず見つかります。
という理由が、感覚ではなく、理由があることが、わたしは大切だと思ってます。
この感覚っていうのが、単純に『面白いと思っている』ではダメってこと、ですね。
でも、自分の作品に自信をもつのは大切です。
自分の飼っているネコチャンがいて、『うちの子、ダメな子で』って紹介します?
わたしはしませんよ! 我が子のいいところ、10個は言えます!!
だから、絶対に、自分の作品を悪く言うことはやめてほしいです。
自信を持って、ここが面白いです!と言ってほしいです。
そもそも、自作品を読んでほしい人が、
面白さはあるよ!
って紹介されて、読みたいと思いますか?
きっと、もっと自信のあるの見せてよ、って、思っちゃいませんか?
だからこそ、感覚的ではなく、具体的に、『ここがこーだから、面白い話なんですよ』っていえることが大事だと思うんです。
自作品の“具体的に面白いところ”を伝えられないと、その作品は“ただ書いているだけ”の可能性が少なからずあるかもしれません。ようは、みんながこう書いているから、書いているというような、ふんわりとしたものです。
ちなみに、ここが言葉にできると、それがテーマになっていることが多いです!
今、自作品をイメージしてみて、その作品の書籍化を目指しているとして、どうでしょうか?
出てきましたか??
『こんな作品なんで、おもしろいんですよ!』が出てきましたか??
もし、「出てこない」「わからない……」となれば、テーマがない作品の可能性が、少なからずあります。
自分の作品がどういうストーリーで、どう困難に挑みながら、主人公が何を学び、成長していくのか。
それが一番大事な作品の要素にもなります。
もし見つけられないのなら、ストーリーの型を学んでみましょうよー!
きっと、今書いている主人公の大きなテーマが見えてくるはずです。
ストーリーの型を知らないとどうなるの?
はっきり言いますが、ストーリーの型を知らずにプロットを書いても、面白いストーリーになっているとは、ちょっと思えないですね……
プロットは取扱説明書です。
その通りにストーリーが進んでいきます。厳しい言い方ですが、面白みのないストーリーをプロットにおこしたところで、それは面白いと断言できますか?
わたしは、断言、できないです……
例えば、
料理はママンがいつも作ってます
よろしくおねがいします!
といって、美味しいビーフシチューができるでしょうか?
何十回もおいしいビーフシチューを作ってきた人なら、レシピを考えて、ビーフシチューを作っても、絶対美味しいビーフシチューです。
でも、料理をしたことがない人が、ビーフシチューのレシピを1から考えるなんて、愚の骨頂! だと思いませんか?
だからこそ、ストーリーを学んだ方がいいと、わたしは思うんです。
「なんで読まれないんだろう?」
悩むのも大事だし、考えるのも大切です。
ですが、それよりも、型を学ぶ。
型破りは、型を知っている人にしかできません。
常識はずれで笑わせる芸人さんも、常識を知らないと、笑わせられません。
面白い小説を書くために、プロットが必要!なのではなく、ストーリーの種類を学ばないと、面白い小説は書けないとわたしは思うのです。
というのも、『プロットを作れば、面白い小説が書ける』というイメージをわたしが持っていたから。
そう、思って、勉強していたんですね、わたしは。
だから先にプロットを学ぼうと思ったわけです。でも、失敗しました。
だって、基礎がないのに、その先のプロットを作っても、なーんも面白くもなりませんもんね。なので順序を間違えないでほしいと、わたしは思うのです。
結論:ストーリーの型が先・プロットは後
つまり、わたしは、ストーリーの型を知ったから、自分の作品を面白く構成することができました。
先にプロットを作ったこともありましたが、面白いか面白くないかの判断は、できませんでした……
何度も言いますが、面白くなるストーリーの型を知らなかったからね!
けっこう、悩みました。プロットの作り方が悪いのかな、とか。プロットの書き方がおかしいのかな?とか。面白さがわからない苦労は、誰もがしているんじゃないかと思います。
が、書き切ることも大事ですが、楽しいって思ってもらえる作品を書ける方が、わたしはモチベーションが高くなりやすいので、今はストーリーの勉強、優先しながら書いています。
ちなみに、わたしのプロットは箇条書き派。
見せるものはそれなりにしっかり書きますが、自分だけのプロットは、ざっくりとイベントしか書いてありません。
理由は、細かく書くとキャラの自由度が減り、ストーリーが面白くなくなるから。
今は冒頭と、各あったらいいなってイベント、目的、テーマをしっかりメモ。
次に、一幕で終わらせること、二幕で終わらせること、三幕で終わらせることを書き殴っておきます。
そのあとは、追加追加で必要な箇所ごと作っていきます。なので、ラストは変わらなくても、途中経過は結構変更します。
わたしのプロットはナマモノです。わたしの場合の取扱説明書は、しっかりメモをしていたところ、ぐらい、かな。
ここまでなるのに、相当、わたしもいろんな書き方してきてます。いろんなアプリも使ってみました。
結局は、ノートに手書きの箇条書きをし、必要なところを書き足すやり方になってます。
伏線回収をしっかりするためにも、面白さをアップするためにも、ですね。めっちゃ考えてたんですよ、これでも!
つまり、自分が面白いと思う、ストーリーの型を学んでほしいと、わたしは思います。
好きな作家さんの作品のストーリーラインを拾っていくのも、型の学びに使えます。
映画、漫画、小説、演劇、ミュージカル……こういったエンタメ作品は、どれもが教科書になります。
面白いと思った作品を楽しくじっくり分解してみてください。まずは、どの場面が好きか。なぜ、その場面が好きなのかをじっくり考えてみるのをオススメします。理由はその前後に起こる出来事をイメージすることで、ストーリーを分解しやすいからです。
もちろん、三幕構成を勉強してみる、でもいいです!
オススメなのは、カクヨムさんで連載されているフィルムアート社さん(脚本術の本をいっぱいだしているところです)。試し読みもありますので、本のイメージや書き方を無料で勉強できるのは素敵ですよね!
わたしもフィルムアート社さんの本は、めっちゃくっちゃ読んでます。役立つこと、満載ですよ!!!
今からでも始められるので、ぜひ、プロットの作成の前に、ストーリーの勉強をしてみて!
それだけで、作品の質が、一歩、先に進みます!
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