この記事では、過去のわたしと『プロット対談』 していこうと思います。
結局は、プロットは書き始めたんですが、書き始めるまでが長かった……
プロットがいる、いらない以前に、いろいろわかっていなかった自分の黒歴史と、書籍化作業で使ったプロットも公開!
こんにちは、色吹です。猫が大好きな児童書作家です。
わたしは2017年に、本気で小説家になろうと思い、ド素人ながらWEB小説を書き始めました。
『小説家になろう』で書き始め、結果、3年後の、2020年、児童書で書籍化しています。
プロットって何?
過去のわたしとじっくり対談しようと思いますが、まずは、プロットの認識を聞いて見ましょうかね。
プロットの認識はどうだった?
プロットって、なんだと思う?
小説を書くときに必要なんでしょ?
わたしは特に必要だと思ってないけど
なんで? みんな書いてるよ?
でも、書かなくても書けてる人だっているじゃん
たしかにいるけどさ……うん……
プロットについて、勉強していた?
プロットの勉強は?
読んだりしたけど、わかんなかった
むかーし、起承転結とかの物語の書き方とか読んだよ
それもちょっとピンとはこなかったかな
三幕構成は?
聞いたことある!
乙一先生は、それで書いてるって本で読んだよ
でもさ、それって映画じゃん
小説だから、なんかピンとこなくて……
もうね、昔の自分、ぶん殴りたいよね。ピンとこないとかさ、言い訳ばっか!
プロの真似するのが近道ってのをぜんぜん理解していない、傲慢なアホ猫だったんです。
WEB小説を始めてみて痛感したこと
どんな感じで始めたのか聞いてみますかね。
WEB小説、はじめて、どうだった?
2017年から始めたんでしょ? どう?
ぜんぜん、読まれない……
もっと読まれると思ってた
それぐらいの書いてるし!
傲慢オブ傲慢
マジで、思ってましたからね!!! サイテーすぎます! ……もうね、一からやり直したい人生を。
そもそも論なんですが、WEB小説で何を求められているとか、全く考えていなかったのですね、過去のわたし。
書けば読まれる、と、漠然と思っていたところがありました。自分のルールは変えたくなかったし、変える必要もないと思っていましたし。とんでもないアホ猫です。
でも、この『漠然と書けば読まれる』。って思っている人って多い気がします。わたしだけかしら?
良い小説を書いても読まれることはないし、見つけてもらうのを待ってもダメってことを、わたしは始めて1年ぐらいかけて学びました。それからはレイアウトにこだわったり、読みやすさを追求したり、それこそ、Twitterでの宣伝は欠かさないようになりました。
………。そう。
えっと、ジャンルはヒューマンドラマ、だもんね
確かに、読む人は少なそうだよね
あの激戦区のなかには飛び込めなかったよ……
俺ツエーとかもよくわかんないし、転生とか転移とかの意味もわかんないし
わかんないの、すごくわかるわ……
だけど、いろいろ調べて、『毎日更新』とか『1ヶ月更新は絶対』とか、守ってる!
一応、努力はしてんのね……
もちろん! だって読んでもらいたいもん!
でもね、限界を感じてる……
どんな?
作品が、垢抜けない!
『垢抜けない』こと、本気で悩んでました。
ファッションとかも、あるじゃないですか、垢抜けないってヤツ。
小説にも実はあって。アマチュアっぽさが消えないっていうか、感覚なところでもあるんですけど。
うん、言語化すると、素人臭いってことですね、うん。読むだけで滲み出る素人っぽさを消したくて、悩んでました。
だから、逆に思ったんですよ。なんで、プロはプロっぽいのか。
これがわかれば、わたしは1つ成長できるんじゃないかって。
垢抜けない、と思った理由は?
なんか、そんな感じがする(感覚)
まじかよ
だからね、プロアマ混合の、書き出し祭りってTwitterの企画があったの
書き出し4,000文字で魅力的な作品を書いてみるって企画なんだけど、それに参加してみることにしたの
Twitterで「書き出し祭り」と検索するとでてきますが、
・この企画は、書籍化作家の肥前文俊先生が個人主催しているものです。
・先着100名の方々による、未発表新作の書き出しの魅力を競う企画。
・プロ・アマ混合、匿名状態・新規作品を条件に100作品が掲載され、読者投票により魅力ある書き出しが決定!
企画概要としては、
・最大400字のあらすじ
・2800字~4000字からなる書き出し部分
・上限40字のタイトル
上記の規定で、『書き出しの魅力』を競います。ちなみに、字数はすべて、空白、改行込み』指定。
(だから実際書ける文字数は3,600〜3,800ぐらいになることが多いです)
参加して、どうだった?
主催者先生に、プロになれそうって言われた!
(その節は肥前先生本当にありがとうございます。先生の言葉を大事に抱えて、小説、書き続けて、書籍化しました!ありがとうございます!)
よかったね〜!
他には?
なんか、引きが弱いってのがわかった……
参加した感想&反省文
自分の作品に多少なりとも需要があることがわかったり、匿名なので分け隔てなく感想がもらえるのもあり、自作品の客観的な視点というのは学べたと思います。さらに自分が弱かったところですね。
2話目を読んでもらうには、理由が必要ってこと。
わたしは漠然と、「2話目があれば読むだろう」って思っていたんですよ。
そんなことないですよね? つまんなかったら読まないし、そもそも2話目までもいかないで途中下車ですよ。
わたしはとても傲慢な人間だったのを、目の当たりにしたわけです。
すごくショックでしたね、自分に。わたしは読んでくださってる方のことを全く分かっていなかった。
貴重な時間をわたしの作品に割いてくれている、ということに全く気づいていなかったわけです。
だからこそ、面白い作品を書かなきゃいけないし、読者さんに何を伝えたいかをしっかりと考えなきゃいけないんだって、思ったわけです。
で、どうするの?
プロットの勉強、してみようかなって
ストーリーラインが悪いんだと思うんだよね
だから、書く前に見直せたらいいなって思って……
ようやくここで、小説の根幹となる『ストーリー』の重要性に気づいたわけです。
じゃあ、プロットの勉強はどうなったでしょう……?
プロットの勉強を始めてみて
何から始めたの?
いろんなプロの先生のツイートとか読んで、本を買い漁ってみた
それこそ、SAVE THE CAT とか、感情類語辞典とか……
SAVE THE CATの法則 : 本当に売れる脚本術 価格:2,420円 |
NEW! SAVE THE CATの法則で売れる小説を書く 価格:2,750円 |
わたし、まだ読んでない。読んでみたい!
感情類語辞典[増補改訂版] [ アンジェラ・アッカーマン ]価格:2,200円 |
読んでみたらどうだった?
わかんない
なんかピンとこない
は???
わかんなかったです!(叫)
ほんとに、わかりませんでした。読んでも疑問符が浮いて頭に入ってこないんですよ。
特に有名なSEVE THE CAT は、猫ちゃんが出てくるんだ!って楽しみに読んでみたんですが、さっぱり。
なんでピンとこないのか、今ならわかります。そもそものストーリーラインについて、わかってなかったんですよ。
何が必要で、何が大切なのかの根本がわかんないまま、「これが大事だよ」と言われても、よくわからなかったわけです。
料理に例えると、そもそも「目玉焼き」を知らないのに、「目玉焼きはお湯で蒸し焼きにすると美味しい」って言われた感じでしょうかね。とにかく、ピンとはこなかったです。
学べた本はあったの?
学べる本は、その後、見つかった?
やっと見つかったよー!
感情から書く脚本術って本!
なんで、この本?
いやさー、小説読むより、映画見る方が好きだったの思い出して……
わたし、映画大好き!
なんですよ。特に、ハリウッド映画。で、この「感情から書く脚本術」は、ハリウッドの脚本の裏側を解説していく本でした。なので、この本を読んでからハリウッド映画を見ると、ここで記されている通りの三幕構成でストーリーが展開していきます。
ハリウッド映画の面白さの理由がわかったことで、残念な気持ちになったか、というと、わたしはなりませんでした。
より、ハリウッド映画が面白くなりました。同じ目的「世界を救う」にしても、登場人物の表現の仕方であったり、冒頭の没入感をどう表しているのか、であったり、などなど、脚本の裏側をより理解することができるようになりました。
表現された意味をしっかり読み解くことで、小説で大切な伏線の貼り方や、場面の描き方を学べた感じです。
好きなものからストーリーを分解して学べたことで、めっちゃ吸収が早かったです!!!
プロットを作って、思ったこと
プロット作りは順調だったか?
プロットつくってみてどうだった?
1話ずつ書いてみて、「あー、ストーリーに迷わなくて書きやすい」ってわかってさー
これは全部プロット書いてやるべき! って始めたよね!
できた?
ま、無理だったね……
プロットを書いたら消えるモチベーション問題
けっこう、これ、アルアルじゃないかと! わたしもこのモチベーションが消える問題に突入していました。
書籍化作家さんのなかには、極端ですが、3年後の自分がみてもどこにその感情があって、セリフがあって、場面があるのかがわかるぐらい細かいプロットがいいとおっしゃっていたのを見かけたことがありまして。やってみたんですよ。
全部書いたら、飽きる!!!
そんなわけで、わたしは細かいプロットは合わないんだなって思ったわけです。
じゃあ、どうやって作ってるの?
っていうと、こんな感じ。
ベランダの秘密基地の書籍化作業中につくったプロットですね。1日1日で進んでいくので、日付があります。時間軸の確認です。あわせて、どこが1幕で、どこまでが2幕などがありますね。ほんとうにざっくり!
これはキレイですが、新作のプロットを作るときは、ノートにダラダラと思いついたことをメモしてます。
で、『思いついたら、追加』、『思いついたら追加』、としてるので、相当の枚数になってます。
ここで大切なのは、細かく書くことはしないってこと。
理由は、作品に飽きないためと、キャラクターの動きに幅を持たせるためです。
感情の起伏の部分まで深く掘り下げてプロットに書いてしまうと、キャラクターの演技がぎこちなくなるんですね、わたしの場合。
今は、書いているうちにキャラクターたちが行動を起こしてくれるのを待つようにしています。
書いているうちに、「へー、こんなこと思ってたんだ」とか、「こんなことすんの、あんた!」と思うこともチラホラ。毎回キャラたちに驚かされます。わたしとてしては、めっちゃ楽しい書き方です!
※ここで気をつけなければならないのは、キャラクターの信念・信条がしっかり決まっていること。ふわっと作ったキャラクターですと、キャラのセリフにブレや、行動理由がチグハグに見えることがありますので、注意が必要です。
そんなわけで、現在はざっくりのストーリーラインと、1話ごとに必要なプロットがあれば作っていくという手法になっています。わたしはね!
プロットを作って、変わったこと
ストーリーのラストが決まってるから、イメージしやすくなった……!
時間がある頃は、頭のなかでラストまでしっかり考えてから、作業に入ることもできましたが、今は、そんな時間もないわけで。常に考えてられない時とかに、プロット(メモでもいい)があると、イメージが戻ってくるんですよ。
これがあるだけで、すごい書きやすかったです。この物語が何を伝えたいのかを忘れないで書き続けられる、というのも大事なことだと、気付かされました。テーマがブレないって、まじで大切。
テーマは作品の土台
テーマが1本通ってるか、通ってないかで、作品の質が変わってきたりするんですよ。これがないと、ただただ主人公が動いているだけだったり、目的がないから共感もされないし、物語に起伏もつかなかったり。昔のわたしの作品は、そんな感じのばっかだったと思います。
プロットを学んだことで、主人公が何を伝え、何を学び、どう成長していくのか。をじっくり考えられるようになりました。これって物語の基礎であり、土台であり、面白さの部分ですよね。
わたしは、面白さってかなり漠然としていて、ざっくりと見様見真似でしていたところがたくさんありました。
見様見真似でも、意味のあるやり方と、意味のないやり方があって、わたしはプロットを学ぶまでは後者でした。
真似をしていても、意味がわかってやるのと、模倣だけするのじゃ、全く意味が異なりますよね……
まとめ
書き方はみんなそれぞれですが、最後まで書き終えられない人や、ストーリーがあっちこっちに行ったりする人は、プロットがある方がいいと思います。理由は簡単で、ラストがしっかり見えているから、書ききりやすかったり、ストーリーの脱線をせずに済むからです。
あれを見せよう、これを見せようと思うことは大事! それだけたくさんのイメージができているので、世界観がしっかりした美しい作品なのがわかります。
映画もわかると思いますが、例えばスターウォーズが人気なのは、世界観がしっかりしているからもありますが、それ以上に、各キャラクターたちのドラマが面白いから、人気なのだと思うのです。
ジェダイの騎士という存在感、そしてそれに至るまでのバックボーンを知っているからこそ、彼らに憧れ、さらに人間模様にドキドキするんだと思うんです。
そういった部分を確認する意味も込めて、プロットがあると、自分のストーリーを客観視しやすくなるなってわたしは思います。これって凄いことだと思いませんか? 自分の作品の面白さを、自分で確認することができるんですよ。
わたしは『ベランダの秘密基地』はプロットの段階から、絶対に面白い! という自信がありました。
それは、自分の作品の骨組みを客観視して、確信したんです。この自信を持って書けた。というのは、わたしにとっていい経験になりましたし、成功体験となって、身になったのはいうまでもありません。
最後に。
自分の作品に、理由をもって自信をもつことをわたしは、すすめたいです。
漠然と「面白いよね」とか、「楽しいと思う」とかではなくて、何がどう面白いのか。どこが楽しいと感じてもらえるのか。そのポイントをしっかりと見つめてほしいと思っています。
その基準に使えるのが、プロットであり、より楽しい作品に変えることができるのも、プロットだと、わたしは思っています。
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